DIARY>昔の

>昔の

 母と逃亡する。建物の中のカーテンを開けたらそこは狭くて真っ暗な急勾配の階段で、室内なのだが山道でもある。手すりにつかまって小走りに上っていく。


>昔の

 アパートの裏に建物があって、それもアパート。ただし各階一間一部屋だけで、外の非常階段式の階段が階段。で、外から覗くと1Fの部屋にはアジア風の布をかぶせたソファがある。


>昔の

 これも経験だろうと思って初めてタバコを買う。ペンキ容器のようなプラスチックのビン? 入りで、今人気な上にいっぱい入っていて得なのでこれにした。で、蓋を開けてタバコを出してみる。ピンクの眠気覚ましガムそっくりだがタバコ。みんなにも配る。そんなに要らないので。


>昔の

 電車に乗って、知らず知らずのうちに都市から遠く離れてしまった。外を見ると電車は空中高く、走る線路はジェットコースターのような急角度で、半ば海に沈んだビル街へ続いている。電車は猛スピードで線路を駆け下り、海に突っ込む。
 場面変わって縁日。テニスボールぐらいの大きな飴玉が棒つきで売られている。飴玉は金魚を模しており、目、口、ウロコがとりどりに描かれている。ちゃんとシッポまである。


>昔の

 地下街から出てくると地上はえらい騒ぎだった。政変が起こったらしい。指示に従って大移動すべく人々が右往左往している。警官と思しき人々が名簿を下げて「速やかに移動してください」と呼びかけている。これから遠いところにやられるのだ。家に帰る暇などない。これからの保証などあるわけもない。見ると、傍らでクラスメイトが泣いていた。彼女は気が強く、私とはたびたび衝突したが、こんな事態ではそれが遠い昔に思えた。クーデタ前、彼女の父親は高官だったので、彼女は今から娼館にやられるのだろう。そんなことを思いながら、二人で抱き合って泣く。やがて彼女は人波に呑まれていく。私もレジスタンスに加わるべく歩き始める。


>昔の

 留学中、病気になって一時帰国したのだが、体調も回復したので再留学する。学校に復帰すると、現地のクラスメートが「アサドリ、よく帰ってきたな」と言って、なめことサメをくれる。サメはナマズの干物そっくりである。


>昔の

 砂利道で転ぶ。という夢を見て目が覚めたら、ほの暗い和風の飲み屋にいる。という夢を見て目が覚めたら布団の中にいる。という夢を見て(目が覚めた。今度こそ現実)


DIARY>昔の