WORKS三題噺まとめ>1st Season - 続き物まとめ

>お天気お姉さんと雨雲の話

●女/情報/予測
 当たると評判の新人お天気お姉さんが北部から首都圏へ栄転した。が、その実績が彼女に片思いした北部担当の雨雲の仕業である事を知る者は少ない。首都圏担当の雨雲が彼に岡惚れし、お姉さんを憎んでいる事を知る者も少数だ。当のお姉さんは渇水に苦しむ西部出身で、本当はそこに雨を降らせたいのだ。

●無作為/女/爆竹
 栄転したお天気お姉さんとそれを邪魔する雨雲の闘いは熾烈を極めた。前夜の予報をことごとく外してくる雨雲の裏の裏の裏の裏をかこうとするお姉さんの予報がノストラダムスの様相を呈してきた頃、番組は満を持して秘密兵器を投入。晴天にぼん、ぼん、ぼんと響き渡るその音こそ人類の英知、人工降雨だ。

END


>プールの戦いの話

●火星/プール/ドーピング
 サメが出たのでプールは中止となり、児童は校内最凶と名高いアヒルに望みを託した。睨み合う両者、舌戦の火蓋がついに切られる。「フカヒレ野郎!」「北京ダックが!」ここで沈黙、各々が自分達を搾取する真の敵に気付いたのだ。「人間共め!」怒りは軍神の雄叫びと化し、ここに最強タッグが爆誕した。

●人肌/プール/責任
  最終兵器アヒルがプール占拠犯サメとまさかの協定。万策尽きた児童会長(12)は腹切って果てんと周囲の制止も聞かずプールサイドへ乗り込んだ。だが諸肌脱ぎの彼に何を思ったかサメは見事な鮫肌、アヒルは手触り抜群の羽毛を見せ付ける。かくて名誉の死は幻と散り、男泣きに吠える児童会長(12)。

●意識/プール/連絡
 プール落雷の速報、児童会長敗北以来厳戒体制の学校は沸き返った。聞けばサメの背鰭を直撃した由、神意ととった児童達はプールへ攻め寄せた。が、そこには人事不省どころか無傷のサメ、同じく万全のアヒル。これが神意か。膝をつく児童の眼前で水面が波打った。今の電気刺激で命が、命が発生したのだ。

●責任/プール/涙腺
 波立つプールに生れた人影、それは両手にアヒルとサメを難なく抑え込み「落し物は金の鵞鳥? 銀の魚?」その質問こそ天佑、児童の答えは「金の鵞鳥!」これで解決と意気込む彼らに人影は「あ、一色忘れてた」と呟き銅像と化し、二匹も金銀に変じた。三体の像は正門に飾られ、爾来校訓は動物愛護だ。

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