●背伸び/爪先/恥ずかしい
(未)
●深海/犬/ジキルハイド
嵐の夜に迷い込んだ荒野の幽霊屋敷で望外な歓待を受けたが、気難しそうな老主人はチェスで三度勝たねば帰さないという。受けた勝負で手も足も出ず、このまま地縛霊化を覚悟したが、主人は意外にも手取り足取り教えてくれる。老執事囁いて曰く、主人は無類のゲーム好きだが訪う客とて無く成仏できぬ由。
●かくれんぼ/カッター/三秒間
(未)
●文字/血清/刺
出鱈目な物語を自由に喋っていた頃、私の言葉は好き放題に繁り、生でかじると青臭さと香味が何とも旨かった。なのに最近口をついて出る言葉は愚痴やら陰口、どう料理しても筋ばかりでえぐい。それでも自分の言葉なので、毎夜手を痛くしながらすり潰してはお茶に煮出し、それなりの味にまで持っていく。
●嫉妬/金髪/駄目なひと
(未)
●耳/パフェ/癖
(未)
●不幸/一重/憂鬱
(未)
●傷跡/砂糖菓子/猫も杓子も
(未)
●深海/チェス/ぽつり
(未)
●薬/悪趣味/猫も杓子も
沼の水を飲むと山に取られる。噂を面白半分で試したが何も起きず、拍子抜けして戻ると村は廃墟と化していた。スマホは不通、住民?も得体の知れぬ服で顔貌も言葉も歪んでいる。逃げ戻った山中で迷い込んだ集落の人々はまともだが全員が水を飲んだとか。ここ以外の全人類には僕らが歪んで見えるそうだ。