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WORKS文字書きさんに100のお題>063:でんせん

 世の中には頭のいい奴がいる。世界に張り巡らされた不可視のクモの糸の上に、無人の鷹を幾羽も幾羽も飛ばそうというのだ。

 オンライン専用シューティングゲーム「Hawk Eye」内でプレイヤーが戦闘機に送る操縦シグナルは、実は遠く離れた異国の空に浮かぶ無人爆撃機に送信されている。

 二次元のチャチな3Dで再現されたコクピットの上半分、僕が山岳地帯のテロリスト拠点と思って見下ろす低解像度のドットは、現実には砂と岩だらけの小さな村の納屋である。地上では逃げ惑う村人たちの悲鳴と足音。そのはるか手前、僕の画面には得点を競い合う「僚友」からのチャットメッセージがリアルタイムで流れてゆく。

 かくて僕が「武装集団」に向けて無邪気に引いたトリガーは無人爆撃機の銃身に直結し、弾丸は銃口の数十メートル先に身を潜める少女の脳幹をあやまたず吹き飛ばす。


END


WORKS文字書きさんに100のお題>063:でんせん