俳句(五七五/無季)と都々逸(七七七五)。
ツイッターやら何やらに書き散らしてたうちマシなのを採録。
>俳句
塀の天辺より薔薇どもの逆落し
野良猫と野良猫と野良猫と俺
桜より梅 晴れよりも糸の雨
待ったっていいのだ午後の陽は緩く
うどん煮る不撓不屈なわけもなし
>都々逸
合格祈願と黒々書いた文字のぶんまで重い絵馬
西も東も平和はなくて無事なこの身の摩訶不思議
あだこだ言うのは人間だけで菊も桜もただ綺麗
万朶の桜も咲いてるうちは枝を掴んで離れない
電灯代わりにぽつぽつ点るあじさい追ってく帰り道
飛鳥と桃山ほどよく混ぜて祖父の匂いのした煙
人道的だという武器がある人を突き刺すペンがある
上目遣いに顔色見てるふりで喉笛狙ってる
削いで落として払って捨てるかつて大事な物だった
旧い荷物はみな捨ててきて終の棲家は空の下
五十年後も日本があれば並の余生を生きてたい
空の星ほど男はいても星じゃ取れんし君にしよ
一切合財後片付けを終えて一人の春を待つ
右と左がおんなじ声で喧嘩している下のほう
今日も暑くてメダカはメダカなりのウンコを曳いてゆく
親の手助け大人の顔で断る子供が頼もしい
外国ニホンのアリ・シディークでならば印パの仲は良い
笑顔ニッコリ許したふりでヒトの断捨離済んでいる
たぶん僕しか見てないはずのタンポポ咲かす野辺の道
ガラパゴスとはいけないものか携帯尋ねる深夜二時
こんな場所にも電波は届く裏口階段下の隅
反省文句の在庫が切れた顔でコーヒーすする部下
道具に名前をつけない友が今日も提げてる古カバン
ボクの街にもサンタは来るよ部屋に来たことないけどねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
月の引力あたしの靴を浮かせ躍らす帰り道 ※お題:「酔っ払ってるわけじゃないけどフラフラ歩いて千鳥足なのは月を見上げて歩いているから」を都々逸で表現せよ
ノマドではない難民なのだぬるいコーヒー飲みもせず
馬鹿な奴だと吐き捨てながら見捨てられない馬鹿な奴
しかしまだ生き残っているぞ顔も手足もすりむいて
シャツの袖口這う蟻とすら一期一会の外回り
あのさ世界は遠くはないよキミが遠くにいるだけで
オンリーワンが身をひるがえし3万分の1と化す
姪にさらわれ積み木の御殿建てさせられる身の誉れ
人に言えない苦労をしたと人に言いたい歳である
会いに行きます大事な恋を神に任せておけなくて
恋が去りゆくまぎわだけれど私は腹が減りました
腹の底から好かない奴に手を差し延べるいやがらせ
髪を結い上げ口紅ひいて君を倒しにゆくところ
独り居たくて突っ張るほどに他人の独りが気にかかる
キミは聞いたかそいつの言葉 聞こうとしたかその声を
絶対零度の沈黙よりは嫌と言ってよただ一度
オフも仕事もどん底だけど死にたくなくて生きている
愛を交わしてキスした後は一人の部屋へ帰りたい
八面六臂のヒーローよりも七転八倒の蟻がよい
自分以外の味付けならば何でも喰うぜ独り者
シザーハンズを差し延べながら助けてやると言うお人
お前死にたきゃ死んだらいいさ 寝れない声で泣いてやる