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都々逸

そのうち増えます。あちこち書き散らしてたうちマシなのを採録。


こんな夜さえ生涯だからスズムシ鳴いてる大嵐
避難してきたのじゃないだろかゴキブリ嵐の中へ出す
令和2年台風14号 神のまつりが天地(あめつち)揺するヒトよ頭を垂れていろ
競わないから大きくなれたゴキブリ風雅な足音す
台風 どうりで頭痛だ私の耳骨嵐とおんなじ渦を巻く
兵を帰してお縄について人に戻って死んでゆけ
独裁国家も核所持国も辞書に平和の語彙を持つ
震災十年 みんな誰かの誰かであった2011.3.11(ニイマルイチイチサンイチイチ)
コロナに熱波が追い討ちかけてヒトじゃ世界は手に負えぬ

置かれた場所にはまだ飽き足らず花は遠くへ種飛ばす
忘れないでね私のことも願い託した飛翔体
この頃だーれも遊んでくれずノックみたいな飛翔体
産んで増やして地に満ちてみた神は褒めるかウイルスを
死別は他人事その足元を軽々すくった生き別れ
ポストコロナと第二波そろい風も今夜は動かない
人類全員留守番させてコロナは世界を旅行中
散歩で作ってゆく「ここらではここにしかない花」の地図
ばあちゃん外国知ってんだって「昔は『旅券』があってねえ……」
必要火急のあなたに会いに越える検問バリケード

雪が桜が病魔がふぶくレジャーシートはミモザの絵
たった一人の散歩の道は不要不急の花ざかり
ヒトもやがては木になれるかな百万年後の新世界
ほんとに神様そう言ったのか戦火に焦げゆく世界地図
令和元年台風第19号 うねるサイレン呑む虎落笛空を巨大な龍がゆく
胸の奥底ざわめく森をついぞ飼い慣らせずにいる
畳すれすれ抜けてく風を鼻に受けてる風邪の夜
薄皮一枚隔てた先でたぶん世界は美しい
無理に青空見なくていいようつむく地べたは花盛り
勝手に篭もった狭ーい檻でひがみのヒの字が僕を焼く

平成最後の雲から落ちた雨が令和の地を濡らす
さよなら平成こんちは令和次こそ優しいひとになる
寝てるあいだにまだお迎えはなくて線路は花曇り
みんながあんまり楽しげだからちょっと静かなとこへ行く
なりたい誰にもなれないままの僕のそばには僕ばかり
五歩も十歩も下がったけれど陽気につられて前へ出る
何百万匹生き物食べて今年も迎える誕生日
名札も荷物もみな捨ててきて歩くこの世の果ては春
世界半分滅んだみたい犬が遠くへ行った朝
私のふるさと東の北で雪に透けてる街灯り

若いモンはと口では言うがちょっと気になる痛バッグ
みんなあじさい大好きらしく街じゅうぼんやり咲いて雨
森のようです花壇を埋めて風に揺れてるチューリップ
富も平和も偏る世界襲う爆風だけはフェア
合格祈願と黒々書いた文字のぶんまで重い絵馬
西も東も平和はなくて無事なこの身の摩訶不思議
あだこだ言うのは人間だけで菊も桜もただ綺麗
万朶の桜も咲いてるうちは枝を掴んで離れない
電灯代わりにぽつぽつ点るあじさい追ってく帰り道
飛鳥と桃山ほどよく混ぜて祖父の匂いのした煙

人道的だという武器がある人を突き刺すペンがある
上目遣いに顔色見てるふりで喉笛狙ってる
削いで落として払って捨てるかつて大事な物だった
旧い荷物はみな捨ててきて終の棲家は空の下
五十年後も日本があれば並の余生を生きてたい
空の星ほど男はいても星じゃ取れんし君にしよ
一切合財後片付けを終えて一人の春を待つ
右と左がおんなじ声で喧嘩している下のほう
今日も暑くてメダカはメダカなりのウンコを曳いてゆく
親の手助け大人の顔で断る子供が頼もしい

外国ニホンのアリ・シディークでならば印パの仲は良い
笑顔ニッコリ許したふりでヒトの断捨離済んでいる
たぶん僕しか見てないはずのタンポポ咲かす野辺の道
ガラパゴスとはいけないものか携帯尋ねる深夜二時
こんな場所にも電波は届く裏口階段下の隅
反省文句の在庫が切れた顔でコーヒーすする部下
道具に名前をつけない友が今日も提げてる古カバン
ボクの街にもサンタは来るよ部屋に来たことないけどねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
月の引力あたしの靴を浮かせ躍らす帰り道 ※お題:「酔っ払ってるわけじゃないけどフラフラ歩いて千鳥足なのは月を見上げて歩いているから」を都々逸で表現せよ
ノマドではない難民なのだぬるいコーヒー飲みもせず

馬鹿な奴だと吐き捨てながら見捨てられない馬鹿な奴
しかしまだ生き残っているぞ顔も手足もすりむいて
シャツの袖口這う蟻とすら一期一会の外回り
あのさ世界は遠くはないよキミが遠くにいるだけで
オンリーワンが身をひるがえし3万分の1と化す
姪にさらわれ積み木の御殿建てさせられる身の誉れ
人に言えない苦労をしたと人に言いたい歳である
会いに行きます大事な恋を神に任せておけなくて
恋が去りゆくまぎわだけれど私は腹が減りました
腹の底から好かない奴に手を差し延べるいやがらせ

髪を結い上げ口紅ひいて君を倒しにゆくところ
独り居たくて突っ張るほどに他人の独りが気にかかる
キミは聞いたかそいつの言葉聞こうとしたかその声を
絶対零度の沈黙よりは嫌と言ってよただ一度
オフも仕事もどん底だけど死にたくなくて生きている
愛を交わしてキスした後は一人の部屋へ帰りたい
八面六臂のヒーローよりも七転八倒の蟻がよい
自分以外の味付けならば何でも喰うぜ独り者
シザーハンズを差し延べながら助けてやると言うお人
お前死にたきゃ死んだらいいさ寝れない声で泣いてやる

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